危機と人類

投稿者: | 2020年6月7日

『銃・病原菌・鉄』で知られるジャレド・ダイアモンドの『危機と人類』を読みました。

国家的危機に直面した国家が、どのようにして危機を乗り越えたかを比較することで、現状の危機にどのように対処すればよいのかが見えてくるはずというのがコンセプトです。

ペリー来航で開国を迫られた日本、ソ連に侵攻されたフィンランド、軍事クーデターとピノチェトの独裁政権に苦しんだチリ、クーデター失敗と大量虐殺を経験したインドネシア、東西分断とナチスの負の遺産に向き合ったドイツ、白豪主義の放棄とナショナル・アイデンティティの危機に直面したオーストラリア、そして現在進行中の危機に直面するアメリカと日本の事例を順に見ていくわけですが、なかなか興味深い内容でした。

フィンランドはロシアと国境を接していることにより、世界大戦で侵攻されたことが何度もありますが、その結果、国内のメディアはロシアを批判する報道をすることを禁止され、政府もロシアの機嫌を損ねないことを第一に考えるようになりました。

この事例からは今の日本と中国の関係も見えてくるような気がします。

日本はフィンランドほど弱くもありませんが、さすがに中国を相手にするのは厳しいところがあります。しかも日本は中国と非常に近いため、はっきり敵対してしまうのは危険なんですよね。

今話題になっているコロナについて中国を非難する声明に乗るかどうかも、なかなか難しいところなんじゃないかなと読んでいて思いました。(日本、中国批判声明に参加拒否 香港安全法巡り、欧米は失望も)

あとはチリの独裁政権の話も印象的でしたね。チリでは非常に長い間独裁者が政権を握り、反対する人間をかなり殺していたそうです。このあたりは全く知らない話でしたので勉強になりました。

ここまで見ると良著たったのではと思うかもしれませんが、単純に手放しで賞賛はできません。というのは、日本の見方は残念ながら非常に偏っているからです。

ダイアモンドは日本に思い入れがあるとの言葉通り、アメリカの次にページを割いて説明しています。

ただ、その内容がひどい。日本はナチの戦争犯罪を謝罪したドイツと違い、中韓に謝罪していないとか、朝鮮人を強制連行で大量に日本に連れてきた等々、大戦時の日本の政策については、ほぼ周辺国の主張通りに書いています。

おそらく本当は日本について、そこまで詳しく知らないんじゃないでしょうか。ただ、こういったよく知らない作家が日本を悪く書くのは、中韓のジャパンディスカウント工作がいかに効いているかという証明でもあると思います。

ダイアモンドはベストセラー作家ですし、そうした人間にまで影響してしまっているというのははっきり言ってヤバいと言わざるを得ません。

政府は諸外国にどう見られているのかというのを真剣に意識すべきだと改めて思いました。

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