株式市場の暴落は予想できるのか『一流の投資家は「世界史」で儲ける』

投稿者: | 2019年4月26日

塚口 直史の『一流の投資家は「世界史」で儲ける』を読みました。

世界史を知ることで今後の未来の予測ができるというのがコンセプトの本著。

18世紀フランスで紙幣が生まれ、フランス革命につながったことやオランダのチューリップバブルについて触れています。

とはいえ内容的には先日読んだ『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語』には遠く及びません。

向こうの方が値段は少し割高ですが、こちらを買うくらいであればむこうをオススメします。

とはいえ資産バブルのおきる条件については参考になりそうですのでまとめておこうと思います。

現在ダウが史上最高値を更新するなどどちらかと言えば株価の上昇が目立っています。

ですがリーマンショックから続いている景気回復も10年以上になり、そろそろリセッション(景気後退)が起こるのではないかと言われています。

その場合には株価が大幅に下落するわけですが、著者は下落には2種類のタイプ、「ビッグショート」と「ショートホール」があるとしています。

ビッグショートはバブル崩壊やリーマンショックなどの金融危機時に見られる価格変動で、場合によっては日経平均株価やダウ平均株価のような株価指標が半値以下になることもある大きな下落幅です。

多くの人が恐れているのはこちらの方だと思います。

一方ショートホールとは景気サイクルで発生したり、市場が一時的に調整したりする局面など、ビッグショートに比べて大きな下落ではないものの、株価指標がそれなりに下落するものを指します。

この2つを回避することはできませんが、見分けることは可能であるとしています。

資産バブルの崩壊が発生していればビッグショート、それ以外の下落の状況はショートホール

ビッグショートは、資産バブルが崩壊するときによく見られる市場減少です。そして、広範囲に大きくネガティブな効果を長期間に渡って及ぼします。

一方、資産バブル崩壊時以外の下落状況は、基本的にはショートホールであるとのことです。

著者は例として2013年にキプロスがギリシャ国債に投資し、資産バブルが崩壊したことを挙げています。

当時キプロスには金融機関などにGDPを数倍上回るお金が東欧から流れ込んでいました。

その海外資金の運用先に困ったキプロス銀行なとの地場の金融機関は同じギリシャ人として馴染みがあり、同じ通貨のユーロを採用しているため為替リスクがなく、高利回りのギリシャ国債にその資金の過半を投資していました。

ところがギリシャが債務危機を起こし、ギリシャ危機が発生すると、ギリシャ国債の価格が暴落し、キプロスの金融機関の運用資金が回収不能になるという事態が発生しました。

当時国債への投資が損失を生むとは思われていませんでした。

しかし、国債とはいえ実体以上の値付けがギリシャ国債に対し行われていたためにその反動としてブラックスワンが起こってしまったのでした。

資産バブルが起きる3つの条件

(1)長期に継続する金融緩和とインフレ調整後のマイナス金利環境

1930年代の軍需景気に火をつけた昭和恐慌後の高橋財政の時期や、平成金融恐慌後の日本の超金融緩和の時期がこれにあたります。

(2)規制緩和や技術革新による実体経済の変化や潜在成長率の上昇を実体より低く見積もった市場環境

IT革命、ドットコムバブルやITバブルがこれにあたります。

(3)市場(債権市場)での楽観論の広まりや、潜在成長率の上昇を低く見積もって金利を引き上げるべきなのに債権金利が低くあり続ける状態

第二次世界大戦中の価格統制経済と千五に物価暴騰に見舞われた日本や、アジア危機下にあった東南アジア諸国などがこれにあてはまります。

著者はこの3つの条件が現在世界的に表れつつあるとしています。

まず(1)については日欧米英での金融緩和的な状況から考えるに欧米では金利の正常化がスタートしているものの、いまだに慎重なスタンスが見られるために引き上げるべき水準まで金利が上がるのにはまだ時間がかかりそうであり、いまだに金融緩和が続いています。

(2)についてはトランプ大統領による金融規制緩和や、AIやロボットの投入による大規模な機械化などによって資本装備率の引き上げが着々と生産性を押し上げる状況が見込まれます。

これにより実質的な潜在成長率が上がってきています。

そして、(3)については「ニューノーマル」として潜在成長率が下がっているから金利は低いのだという物価の低さを根本から肯定する論調がある点です。

物価動向に関する極端な楽観論が債権市場(金利の低下)を支え始めているとのこと。

この3点を背景として資産バブルが育成されています。

相場の先行きに楽観論が強まり、低インフレや低金利は構造的なもので今後も長期間続くという見方が広まり、投資資金が株や不動産、高利回り最近に資金が流入している状況がこの10年間続いています。

ただし、歴史を振り返るとこのような物価動向についての楽観とその後に起こる悲観は毎回繰り返されており、だいたい約10年に1回の割合でバブルは繰り返されています。

以上が著者の意見です。非常に簡単に言ってしまうとそろそろ危ないよということです。

まあ自分は配当再投資を軸にしていますので暴落も甘んじて受け止めるつもりではいますので話半分に見ていますが、一応頭の片隅に入れておいた方がいいかもしれませんね。

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